食のささやき(4)-ファイトケミカルその1

ベータカロテン冬至にカボチャを食べる話をしましたが、カボチャや今が旬の人参など緑黄色野菜の色素成分である『ファイトケミカル』と言われる野菜や果物に含まれる機能性成分の事で植物が紫外線の害や虫から自分を護る為に作り出した物質で、人間もそれを植物として摂取することで身体に重要な働きをする、ビタミン、ミネラルとは異なる物質の総称です。ファイト=植物、ケミカル=化学物質という意味で植物由来の化学成分ということでしょうか。

約数千種類~1万種類はあると言われていて主に坑酸化物質と言われ三大栄養素である、糖質、たんぱく質、脂質の他にビタミン、ミネラルや食物繊維、ファイトケミカルが加わり七大栄養素と言われるようになり今は栄養学も研究され発見される成分もたくさん出ています。カボチャはファイトケミカルのカロテノイド類のβ-カロテンが体内でビタミンAに変わり皮膚や口、目、のど、消化管などの粘膜を強くする働きがあるので、風邪のウィルスなどさまざまな感染症の細菌を寄せ付けない体作りに役立ちます。β-カロテンは脂溶性なので油と一緒に食べると吸収されやすくなりカボチャや人参も少量の油で炒めてから煮たり、肉や魚と組合せて調理するのも良いと思います。

特に人参など今が旬の季節野菜は栄養化も高く美味しい時期なので積極的に食べたいですね。ファイトケミカルは活性酸素から身体をガードする坑酸化作用が強く、老化を遅らせガンや動脈硬化を防ぐ働きがあると言われています。今はお菓子などにも栄養成分表が表示されているのは多く見かけますが、昔はこのような栄養成分を化学的に分析する機械や技術、その上その成分が身体にどのように働き作用することなど分かるはずがなかったでしょう。やはり人間の知恵と感性、人体実験という経験を繰り返し試行錯誤しながら、身体に良いものを伝統的に食文化として継承してくれたのでしょう!

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